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怖い話3

Category: 小ネタ  

ちまちま書き溜めたものだから、抜けたり、重複したりしてしまいそうで怖い。
 


先輩の―さんは、休日になると1人で出かけることがある。
そのたびに結構面白いものを持って帰ってくる。

今回のお土産は、骨董品屋で買ったという正二十面体のオブジェだった。
木製のそれはツルツルとした表面で、組み木のように面によって木目が違った。

「パズルらしい」

―さんは正二十面体を後輩の0君にあげた。




それから0君は、そのパズルを解くのにしばらく夢中だった。

「これ凄いッスよ。リンフォンって言うらしいンスけど、ほんとパズルって感じで、正二十面体から動物の形になってくの。飯の時とか講義の時とかも、もうパズルのことばっか考えちゃって、手に付かないって感じ。マジで下手なゲームより面白い」

そんなことをまくしたてていた。




そのパズルは木のパーツを動かしていくことで、正二十面体の他に三種類の形をとるらしい。
0君は1つ目の変形をクリアし、2つ目の変形に挑戦している。

今日は休日で、サークルの四人で集まって食事中だった。
しかし、その最中でも0君はパズルから目を逸らそうとしない。

「お前、食事中やろ」

―さんが0君からパズルを取り上げ、何かしらの形をとろうとしていたパズルを手元も見ずに捏ね繰り回した。
「あ、ちょおおおお、せんぱああ…………!?」
0君が情けない声をあげて、途中で止まった。
―さんが適当に弄ったパズルは、見事な変形を終えていた。

それは猛り狂ったような龍だった。

その後、全部一人でしたかったのに、と騒ぐ0君を3つめを頑張ればいいじゃないと慰めて食事を再開した。
しかし、何か料理の匂いがおかしい。
見た目にも彩がなく、原型がわからないほど崩れている。


運ばれていた直後のはずの料理は全て腐っていた。
店に平謝りをされて私たちは帰寮した。



寮に帰ってから、私と―さんはトランプをして時間を過ごしていた。
するとしきりに首をかしげる0君がやってきて、黄ばんだ紙を差し出してきた。
そこには正二十面体の絵と、『RINFONE』という表題が書いてあった。

パズルの解説書らしい。

「これによると、パズルは熊→鷹→魚の順に変形するらしいンスけど、―先輩が作ったの、あれどう見ても龍でしたよね?翼の無い、和風の方の」

0君と―さんが首をかしげる横で、私はそういえば―さんの家系は龍に象徴され、多くの偉人を輩出する名家だったな、ということを思い出し、さらに彼らの中には現人神のように称えられ、小さくとも立派な祠も作られていたな、ということを思い出した。

「んー、たしかに龍っぽい前足あったもんな...いや待て、あれはもしかして、2つ目の鷹と3つ目の魚が合体した形やないか?」
「待ってください、てことはもうパズルはほぼ完成してるってこと…!?」

騒ぐ二人の横で、
そういえば『RINFONE』は並べ替えると『INFERNO』になるな、とふと思った。

なんで半分以上勝手に完成させちまうんスかと言いあう二人を尻目に、『INFERNO』の意味は何だったかとスマホをとりだした。
電源が切れていた。
そういえば最近、引っ切り無しに電話が掛ってくるから切ったんだった。
最初は1時間ごとだったのが、30分ごと10分ごとと感覚が小さくなり、30秒ごとになった時点で電源を落としたのだ。
それでも掛ってくるので通話ボタンを押した後、「現在この電話は使いたくありません」とだけ言って通話中のまま放置していたのだけれど、どうやら相手はあきらめたらしい。

ちなみに電話口の相手は「連れてって連れてって連れてって」だったり、「逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ」だったりをひたすら繰り返していた。



スマホに電源を入れて、起動を待っていると、Kちゃんがやってきた。
これでサークルメンバーが再集合したことになる。

その頃には、0君と―さんの言い争いは収集しており、二人仲良くパズルを解いていた。
パズルは龍から魚になろうとする不格好な形をしており、龍と得体のしれない何かが融合しつつ戦っているようにも見えた。

「わあ、もう少しですね」

そう言ってKちゃんがしきりに感心していると、気をよくした二人がパズルをKちゃんに差し出した。まあ、おれたちの成果を見てみろよ、ということらしい。

Kちゃんがパズルを受けとった。
パズルが爆発四散した。


四人、無言


こころなしか、遠くで何百人もの悲鳴が聞こえた気がした。


そんな中で私は『INFERNO』って地獄って意味だったな、ということを思い出した。
だとしたら、あの正二十面体は地獄だったのか。もしくは地獄に通じるものか。
それを消滅させた当人は、その美しい瞳に涙をため、しきりに謝っている。
彼女に悪意がなかったのは皆分かっているのに、0君と―さんが一生懸命作ったものを壊してしまって、と謝る美しい彼女は

「天使」

0君が天を仰いで呟いていたが放置した。



その後、件の破片は窓から捨てておいた。
窓の外にあった花壇の花は、その日のうちに枯れきった。




うちの後輩の0君は色々なものを拾ってくる。
この間は、その場にあるだけで気分の悪くなるような西洋人形を拾ってきた。

人形は目を離すと移動する。
しかし夜に移動すると朝帰りの―さんや私に踏まれると気づいたらしく、夜は普通に置いたままの場所に居るようになった。

人形はその部屋の空気も悪くする。
しかしイラついた―さんが煙草を吸い始め、それをとがめる私と喧嘩になった際、投的の弾に使われることに気づいてか、部屋の空気を悪くしないように気を遣い始めた。

人形は夢にも現れるが、この間、遊園地のモンキー・トレインに活け造りにされてから出ないようになった。

人形は昼間に背を向けていると笑い声をあげる。
1人で笑うのは寂しかろうと、音に反応するロックンロール・フ●ワーを傍に置いておいたら笑わなくなった。笑いのツボが合わなかったのだろうか。

そうこうしているうちに、抜き打ちの検査で寮監に見とがめられ、没収された。

最近寮監の顔色が悪い。




うちの後輩の0君は色々なものを連れてくる。
このあいだ、男友達との飲み会から帰ってきた0君とすれ違った。
そういえば0君に用事があるんだったと、0君を振り返ると、髪の長い女性の後ろ姿しかなかった。

それ以来、0君の後ろに髪の長い女が居るようになった。
0君が見ているのもの肩の後ろから覗きこみ、0君の座った席の後にはその女が座っている。

しかも、彼女が見えている私を凄い形相でにらんでくる。

そこにイラっときたので、0君の背中に意味不明な文字の羅列を書いた紙を貼っておいた。
そうすると、四六時中0君の背中に視線が集まるようになったので、居づらくなったのかその女は消えた。

その紙の裏には赤いインクで「しねしねしね」といつの間にか書かれていたが、へたくそな字だったので飾る気も起きず、燃やして灰は窓から捨てた。

窓の外は花壇なので肥やしになるだろう。





うちの後輩のKちゃんは怖い。

Kちゃん自身は気立てもよく、結構な美人だ。
穏やかで、争い事が嫌いで、人が傷つくのを我が事のように辛がる子だ。

その彼女は時々不思議な行動をとる。
そして、それは多くの場合、彼女の元に幸運を呼び込む。
本人に聞くと、「なんとなく、そうした方がよい気がして」としか説明できないらしい。

とりあえず、じゃんけんは負けなし。くじ引きなんかでも大体彼女の欲しいものがあたる。なのであみだクジなんかの時は、Kちゃんには最後に残った1つをあてがうことにしている。
福引なんかをすれば、ほぼ間違いなく大賞を取れるだろうが、本人が無欲なので機会がない。豪運は持つべき人が持つ者が持つのだなあ、と感じる。

その影響は周りの人間にも及んでいる。
ある日、彼女の恋人の0君が道端にうずくまる女性を見つけた。
声を掛けようとしたら、Kちゃんから「危ないことをしては駄目だよ」とラインが入った。

別の日、私と道を歩いていると、Kちゃんが「あ」と言って立ち止まった。私もつられて立ち止まる。私たちの数m先に看板が落ちてきた。

別の日、―さんにKちゃんが近づこうとしなかった。よくよく身辺を探ってみると、ストーカーの存在が明らかになった。

とまあ、ありがたい限りなのだけれど、少し気になることもある。
Kちゃんの人柄で忘れかけているけれど、誰かが幸運になるということは誰かが不運という話で。


そして今、私は待ち合わせの喫茶店が火事で燃えているのを見ている。

今日は珍しく、彼女は待ち合わせに遅れている。
Kちゃんの乗る電車内で、急病人が出たらしい。




私は寮以外にも別宅を持っている。
それは高校時代の友人の家であったり、ちょっとした秘密を共有する協力者の家だったり、いろいろだ。

そんな人たちの一人、仮に枯葉さんとしておこう、の家から帰る際、手土産を渡された。
よくお歳暮なんかで貰う、缶入りのサラダ油だった。
枯葉さんが住むマンションの住人が一度にたくさん貰っちゃったから、とくれたらしいが、枯葉さんもちょうど新しいものを買ったばかりだったので、さらにおすそ分け、ということらしい。

寮生活だが、共用の給湯室は簡易のコンロもあり、使いどころになるだろうと思って有り難く貰った。

寮に帰って缶を取り出してみると妙な音がした。
缶の中をスマホで照らしてみると、油の底にGの死体がぎっしりだった。

さすがに食用には使えず、中身は油を窓から捨てた。
窓の外は何も生えていない花壇なので、良い具合に廃油肥料になってくれるだろう。

缶は洗うのが面倒だったので、土を詰めてアサガオの種を植えておいた。
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 2016_02_02


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