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いい加減にあげよう

Category: 小ネタ  

いつぞや聖ちゃんとやったお題

「考えたキャラや設定を相手と交換して話作ろうぜ!」の奴です。

聖ちゃんから頂いたお題は後の記事で載せます。

舞台はもちろんファンタジー。

一人称「私」の日常のお話です。

注意事項などについては、カテゴリー:はじめにお読みください をご覧ください。

暇つぶしに読んでやるよ!という方は続きへどうぞ






 
春のうららかな日差しが気持ちの良い日です。

私、アイラはお弁当を片手に安普請のアパートを出て、

街から山への一本道は、石畳から次第に砂利道へと変わり、道沿いからは人工物が消え、緑が多くなっていきます。

しかし歩きにくいかと言えばそうでもなく、長年多くの人々に踏み均されているので、石やレンガで舗装されてこそいないものの、街はずれのバイト先に向かうには問題の無い歩き心地なのです。

私は右手に下げたバスケットを持ち直してバイト先への道のりを急ぎます。

この辺りには害獣や、危険生物指定の蟲も植物も生息していませんが、「鑑定所」が近いこともあって、何が落ちてたり逃げ出したいたりするか分かりません。お客さんが来るまでには「鑑定所」に着いておきたいものです。

「と、思ってたのだけどねぇ」

目の前を行く三角。

失礼、説明が少なすぎました。

20歩ほど先に、おそらく鑑定所に向かうと思われる旅のお方が見えます。きっとお客様です。

その方が背負っているのは大きな三角です。さらに詳細に説明するならば、凧のような骨組みに大きな布を張っているのです。その凧のような三角が身の丈ほどもあるものですから、後ろからは大きな三角がえっちらおっちら歩いているように見えるのです。

少し早足になって、旅のお方の横に並びます。
「こんにちは、旅の方でしょうか」

すると、三角を背負っていた彼はびっくりした顔でこちらを見てきました。
私よりも頭一つ高いくらい。年は20代後半と言ったところでしょうか。
分厚い上着を着ていますが、見えている腕や首は太く、そしてよく日に焼けていました。

「これはこれは、こんちには、お嬢さん。こんな所で若い娘さんに会えるとは思わなかったよ。よく僕が旅していると分かったね」

にこりと、髭の生えた口元を曲げて不器用に笑います。

「この時期に、この辺りでそんな格好してる人いませんもの」

肌の色や、訛りはこの辺りのものと似ていますが、採集を生業としている人の多くは、様々の土地を周るうちに生まれ育った土地柄は薄れてしまうことが多いので、あまり当てになりません。

「そうかぁ。いやね、僕は北の山脈のあたりから来たんだ。あそこは年中は雪が積もっていてねぇ。これでも防寒用の綿なんかは抜いてあるし、靴も平地用にしてあるんだ」

「そうなんですね。私はずっとこのあたりに住んでいるので、ついぞ、雪なんて見たことが無いのですよ」

そう言うと、彼はそうなのかと楽しそうに言って、自分が今まで行ってきた土地や採集の苦労話を聞かせてくれました。
きっと今まで長い間、山に籠っていたので人と話せるのが楽しいのでしょう。

雪山の地下で氷の洞窟を見つけた話、そこでヒラユキチョウのサナギの大物を見つけた話、サナギの薄皮を削ぐのに三日かかった話などが終わる頃、鑑定所が見えてきました。

三角の彼のような採集の仕事をする人たちが、採集物を鑑定してもらい、換金するのが鑑定所です。
国が定めた鑑定法や換金制度に基づいているのおり、多くは採集地である未開の地と人里の中間に設置されています。

鑑定所は旅人の宿としても使われるので、宿泊施設や食堂が併設されているのが通常です。
私はそこで給仕のアルバイトをしているのです。

「お嬢さんはこの先の鑑定所でアルバイトをしているんだよね、鑑定して換金したら、一緒にお茶でもどう?おごるよ」

「あら嬉しいわ。楽しみにしています。ジャノメイチゴで作ったタルトは自信作なんですよ」

「おや、もしかしてお嬢さんはもしかして鑑定所で料理を出しているのかい」
感心したように彼は言います。

「お菓子を少しばかり。私、これでも結構器用なのですよ。手芸も好きです。同居人からは『お前は手から生まれたんだ』なんて言われるのです」

「同居人…」

「ほら、よくしゃべる人を『口から先に生まれてきた』っていうでしょう。私はいっつも手を動かしているから、ぐうたらな同居人がそう言うのです」

「なるほどね…。その同居人は君に遠慮しないんだね」

「そうなんですよぉ」
あら、どうしてそんなに沈んでおいでなのですか。

***


そんな話をしているうちに鑑定所が見えてきました。

今までは背の高い木々が道の脇に生えていたのが、急に草原に変わり、開けた草地が目の前に広がります。

木造の二階建ての建物が、昨夜降った雨に濡れて黒くなっているので、少し怖い雰囲気になっています。

私は建物の正面にある扉を開けて、三角の彼を招き入れます。

「さあさ、鑑定所の受け付けは入って左です」

三角の彼はありがとう、と言って背中の三角をおろし、わきに抱えて鑑定室に入っていきました。

これから国選鑑定士が採集物である三角を鑑定して、それに見合ったお金と交換するのです。

いまどきヒラユキチョウのサナギなんて珍しいですから、きっと良いお値段がするでしょう。





三角の彼と何を食べようか、なんて考えながら給仕の支度を始めます。

昨日から止まっていた猟師や狩人、マタギや旅人の人たちがすでに朝ごはんを食べていました。

なじみの人たちと朝の挨拶を交わし、今の相場や最近の気候の変化なんかで雑談をしていると、鑑定室が何やら騒がしくなってきました。

おや、と食堂にいる面々が鑑定室に続く廊下に目を向けます。

何やら言い争う声が聞こえて、しまいにはガシャン、と明らかに何かが取り返しのつかないくらい破損したような音が聞こえてきました。





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